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不動産売買の瑕疵担保(売主が一般個人) [不動産関係]

不動産売買の瑕疵担保(売主が一般個人)

不動産売買契約において、瑕疵担保責任を負わないことが明確でない限り、売主は買主に対して瑕疵担保責任を負わなければならない。この瑕疵担保責任は無過失責任とされている。そこで、売主が瑕疵担保責任を負いたくないときは、瑕疵担保責任を負わない旨を明確に約定しなければならない。この特約あれば、有効な特約として扱われるのが原則である。
但し、売主が宅建業者で買主が非宅建業者(一般消費者)であるときは、売主である宅建業者は必ず瑕疵担保責任を負わなければならない。いかなる特約があっても免責されることはない(宅建法による強行規定)。

中古住宅の売買においては、宅建業者が媒介者となり、売主も買主も素人(消費者で非宅建業者)による売買契約となるケースが多い。この場合において、媒介業者の判断や都合により、瑕疵担保責任を負わない約定や瑕疵担保責任期間が極端に短期間とする約定がなされることがある。たしかに、宅建業者でない素人の消費者が売主となる売買契約において、売主に高負担や長期間の瑕疵担保責任を負わせることには、疑問を感じる。しかし、瑕疵担保責任は、売買契約の基本となる対価の負担均等を担う制度であり、売買契約当事者の利益を調整するものであるから、双務有償契約である不動産売買契約においては、買主の瑕疵担保請求権の行使を制限するには、相当な理由が必要であり、相当な理由がない場合には、免責や軽減の約定があっても、その効力は生じないと考えることもできる。

そこで、相当な理由の基準として、①社会通念上、買主が瑕疵担保責任を放棄したと認めることができる場合、②瑕疵担保責任について、第三者が保証等の措置を講じる場合、③売買代金が、対価として均等が保たれている場合が考えられる。

①ケース
・売主が、破産や倒産の状況で、売却に出された不動産であるとき
・売主に売却意思がない状況で、買主の要望による購入申込に対して、売主が売却承諾した売買契約のとき
②ケース
・瑕疵担保責任についての損害保険の措置が講じられている場合
・媒介業者が瑕疵担保責任について負担する場合
③ケース
・瑕疵担保責任の軽減や免責を約定するに際して、瑕疵担保責任の免責や軽減に係る対価を減額している場合(瑕疵担保責任の免責を理由に値引きしたとき)

なお、瑕疵担保責任は、媒介業者の物件調査義務と裏腹の関係にある。重要事項説明に係る物件調査が不十分なために不具合や欠陥が発見できずに、重要事項説明しなかったと考えれば媒介業者の責任である。ところが、媒介業者の責任を問わずに、瑕疵担保の問題とすれば売主の責任に転化されてしまう。


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