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宅建法案内 2条 ② [宅建法案内]

◆宅建業とは、
 宅建業とは、①宅建法による宅地建物を、②-①自分が契約当事者になる売買契約(交換契約を含む)を締結すること、②-②他人がする売買契約(交換契約を含む)または貸借契約を媒介(代理)することを、③業として行うことである。これら①②③の全てを満たす行為だけが宅建業である。このため、複数の宅地建物を購入する行為も宅建業になることもある(広大なマンション用地の買収、複数の借地権付建物の買取)。なお、宅建業の認定に際しては、営利目的の有無は問わないとする考え方が通説であり行政実例でもある。

 そこで、①に該当しない土地の取引は、②③に該当しても宅建業ではない(例、農地を農地としての売買)。①に該当する宅地建物の取引でも、②に該当しなければ③に該当しても宅建業ではない(例、贈与、アパート経営の貸主、貸ビル業の貸主)。①②に該当しても③に該当しなければ宅建業ではない(例、居住している住宅の売却、地主から借地人への底地売却、会社の福利厚生事業としての社員に対する宅地分譲)。
 このような、①②③のいずれかを欠く行為は、不動産取引や不動産業に該当したとしても、宅建業には該当しない。このため、宅建免許を受けることなく事業を行うことができ、宅建法は全く適用されないため重要事項説明の義務もない。

 但し、宅建業者の場合は、宅建業を営む者であるから①②に該当すれば③の行為と見なされ宅建業となる。宅建業者は最初の取引から宅建法の規制を受ける。宅建免許の申請中の者でも宅建業を営む意思が確定的に存在しているため、免許を受ける前に一回でも宅地建物の取引すれば宅建業に該当し、無免許営業になり罰則と免許拒否(免許取消し)の対象となる。


◆業として行うとは、
 業として行うとは、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態を指すものであり、この判断は次の事項を参考に諸要因を勘案して総合的に行われるものとする(宅地建物取引業法の解釈運用の考え方)。
 ①広く一般消費者を対象とする取引は事業性が高く、特定関係者との取引(親族間の取引、隣地所有者との取引)は事業性が低い。②利益を目的とするものは事業性が高く、特定の資金需要の充足が目的であれば(納税のため、住替による既存住宅の売却)、事業性が低い。③転売目的で取得した物件の売却は事業性が高く、相続又は自ら使用目的で取得した物件の売却(住宅、事業所、工場、社宅)は事業性が低い。④自ら購入者を募り直接販売すれば事業性が高く、宅建業者に媒介依頼して販売すれば事業性が低い。⑤反復継続的な取引は事業性が高く、1回限りの取引は事業性が低い。反復継続性は過去の行為も将来の予定も考慮して判断する。また、1回の行為ても、土地を区画割りして複数の者に販売する行為は反復継続的な取引となる。

 つまり、業として行うとは、宅地建物の取引を、①事業であると誤認させる程度(実際に誤認させる必要は無い)に、②不特定多数人を相手方にして、③反復継続して行うことであるといえる。
 そこで、所有者が複数の宅地建物を売却する場合には、事業でないことの明示手段として宅建業者を関与させることにより、不動産取引市場を混乱させることなく、取引相手方の利益も確保できるものであれば、一定要件で不特定多数人に反復継続して販売する行為を禁じる必要はない(売主による顧客探索を排除するため専属専任媒介契約による。現状での販売とし宅地建物の価格上昇させる工事等は行わない。所有期間が一定期間以上であること)。
 しかし、事業であると誤認させる程度の行為は、宅建業者を関与させたとしても、たった一回の行為でも許されない(宅地造成工事しての分譲、新築住宅を建設しての販売、建築条件での宅地販売)。また、他人が所有する宅地建物について、宅建業者でない者が売主となったり売買契約や賃貸借契約を媒介することは、宅建業者の事業であると誤認させる可能性が高く、不動産取引市場を混乱させるだけでなく、取引相手方の利益の保護に欠けるため、相応の事情なければ許されない。

 建物の所有を目的とする地上権の設定(売買や譲渡と呼ぶこともある)を媒介または代理する行為は、所有権の売買でなく賃貸借でも使用貸借でもないから、宅建業に該当しないとの意見もある。しかし、地上権は借地権に似ながら所有権に近い物権であることから、建物の所有を目的とする場合は、あえて地上権であることを理由に宅地から除外したり、宅建業から除外する合理性はない。


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